9試合目の進化論【コラム】
今シーズン初勝利、三浦監督おめでとうございます!
これまでの8試合の中から、選手・ベンチとも学びは多くあったはず。
今日のDeNAは昨日までとは全く違う野球を見せてくれた。
11安打で3得点はご愛敬。
むしろ8安打浴びて、調子の良いカープ相手に1失点で凌いだことが
「たいへんよくできました」ではないだろうか。
勝つ試合には多くのヒーローが生まれるが
この試合の勝利の立役者は、神里だったと僕は思う。
合わせて、この試合のポイントは
4回表の好守で間違いないとも思っている。
それは、重い雰囲気漂う3回裏
神里が起死回生のホームランで先制点をあげて
盛り上がった直後のDeNAの守備にあたる。
4回表、先頭打者の鈴木誠也は坂口の119km/hのスライダーを強打。
打球は左中間を襲う。抜ければ長打確定の白球を
神里が野球人生初のダイビングキャッチ。
「点をとった次の回に失点するな」などと
言葉にはしていないが、神里の気迫を感じた。
結果、この4回表のカープを無失点で乗り切ったDeNA。すると
今度は4回裏、宮崎も一発をレフトスタンドに放って、2点目を追加。
調子の良いカープは2点差をつけられた直後の5回表。
粘りに粘って、2死1,3塁のチャンスをつくる。
迎える打者はここまで好調の西川。
「凌いでくれ」
DeNAファンの祈りが届くのか。
西川が降り抜いた打球はセカンドゴロ。
この場面でも今日は失点しないDeNA。すると
またまた今度は5回裏、2死3塁からルーキー牧秀悟が
ベテランばりのスイングでレフト前にタイムリーを放ち、3点目。
5回表裏を終えた時の試合内容が
この前に書いた「ヤクルト3回戦」と比較すると
全く違うことが誰の目にも分かることと思う。
↓ヤクルト3回戦の記事です、参考まで↓
https://blog.hatena.ne.jp/pinkdarksboy/pinkdarksboy.hatenablog.com/edit?entry=26006613711416548
6回以降はピッチャー出身のハマの番長らしい見事な継投策が成功。
8回、9回ともピンチはあったが、これを1失点に抑え、3-1でDeNAの勝利。
間もなく、あの二人が戻ってくる。
横浜愛を感じさせるソトとオースティンの二人の合流は大きなアドバンテージ。
もちろん、三浦新監督と同じで
今日、プロ初勝利をあげた坂口の今後も楽しみだ。
ウイニングボールは番長から坂口に渡された。
きっと、監督初勝利で本人も欲しかったはずなのに。
ここから「横浜一心」のはじまりとなることだろう。
育成枠から帰ってきた男【コラム】
桜が満開となった4月3日の仙台。
例年よりも10日ほど、早い満開宣言となったようだ。
春の陽気が漂うなか、と思いきや、強い風が吹き荒れる楽天生命パークで
それぞれマウンドにあがった。
弓削は立ち上がりから、制球に苦しみながらも
持ち前の打ち取るピッチングで粘る。
一方、山岡は3人でピシャリ。
ところが、コンディションの調整不足からか、2回に突然くずれる。
4番浅村、5番茂木に連続四球。
ノーアウト1,2塁にすると6番鈴木には
146km/hのストレートをライト前にはじき返され、難なく先制点を許した。
ノーアウト1,3塁の場面で7番渡邊佳にも
145km/hのストレートをライト前に痛打、これで2点目を献上。
後続に対しては苦しみながらも、山岡が踏ん張りをみせて追加点を許さず
このイニングを0-2で終える。
立ち直りが期待された3回の山岡。
この回の先頭打者・小深田を打ち取るものの
3番島内、4番浅村、5番茂木に連続四球で1アウト満塁のチャンスを与えてしまう。
このピンチは6番鈴木のセカンドゴロの間の1点のみで凌ぐ。
傷口を大きくしないあたりは
さすがオリックスの大車輪の1つと称される山岡なのかもしれないが
3回までに与えた四球が5つ、4回には2四死球で合計7四死球のご乱調。
ここで、静かに見守っていた中島監督は山岡をあきらめて
ピッチャー交代を告げる。
5回、オリックスのマウンドにあがったのは竹安。
投球が安定せず、浅村と茂木に連続四球。
7回にはベテラン能見が継投に入ったが
山岡と竹安に負けじと、浅村と茂木に四球。
11個の四死球がオリックスから楽天にプレゼントされたわけだが
桜全開の仙台のようには、花開かないのが現在の石井楽天。
ドヨーンとしたゲーム展開で、目を引いたのは背番号45のサウスポー
渡邊佑樹だ。
8回、吉田の強烈なピッチャー返しをまともに受け
酒居がまさかのアクシデント降板。
この場面で、石井監督から「がんばってね」と託されたのが
この男、渡邊佑樹だ。
こんな二枚目がいたのかと驚くほどのイケメンぶり。
さっそく選手名鑑で調べたら、ちゃんといた。
渡邊佑樹は2017年に横浜商科大からドラ4で楽天に入団。
成績は2019年に1イニングの登板しかないのだが、内容がやばい。
なぜ、もっと起用しなかったのか。
育成契約となった渡邊は腐らず、努力の末、支配下枠に帰ってきた。
いや、帰ってきてくれたのだ。
さてさて、試合は3-2でリードはしているものの
追いつかれたら、つぼみの楽天打線はバンザイしてしまう展開。
自らのの死球もあり、1死2,3塁の絶体絶命の状況。
石井監督は腕組みのまま、動かない。
渡邊は表情を崩さずバッターに向かう。
一人目、当たっている6番中川をピッチャーゴロ。
二人目、仕事人安達を得意のシンカーで空振り三振。
結局、反撃ムード高まるオリックス打線を無得点に抑え
最後は二枚目らしく、小さなガッツポーズでマウンドを下りる。
試合後、「これから成長する彼のために、マウンドに立たせ続けた」
とのコメントは、これまで登板機会のなかったサウスポーに目を付けた
眼力を持つ石井監督のもの。
背番号45、渡邊佑樹25才はこれからもきっとやってくれるはず。
そして、楽天打線の早めの全開も期待してますよ、と。
そしてそして、あの場面で石井監督、フリーズしていたのではなくて、安心しました。
7試合目に見るヤクルトとDeNA【コラム】
4月2日に行われた今シーズンの7試合目。
ヤクルトは巨人と、DeNAは広島とそれぞれが試合に臨んだ。
前日にはヤクルト対DeNAがシーソーゲームの末、11-11のドロー。
昨日、試合時間4時間20分の激闘についての評を書いたのですが
この7試合目は予想通りの結果となった。
【巨人-ヤクルト 1回戦】
ヤクルト2 - 0巨人。
【DeNA-広島 1回戦】
DeNA0 - 4広島。
巨人、広島は6試合終了時点で首位を争っている。
この調子の良い両チームにヤクルトとDeNAは挑んだわけである。
結果、ヤクルトは巨人に対して、2-0の僅差の勝利をものにした。
一方、DeNAは得点をあげることが出来ず、0-4で広島に敗れた。
ヤクルト-DeNA3回戦で見えた、両チームの現状。
粘れる野球が出来るようになった今年のヤクルト。
選手、ベンチとも試合の状況々々で何をすべきかがわかっているようにも感じる。
基本的な野球が出来なくなっている今年のDeNA。
選手、ベンチとも試合の状況々々の優劣さえも見失っているようにも感じる。
ヤクルトは青木、内川を欠いている。
DeNAはソト、オースティンを欠いている。
攻撃の中心となる主力を両チーム。
まだ開幕直後のプロ野球ではあるが、序盤に大きな遅れをとるのは命取り。
勝つのも大事だが、星を落とさないのも大事だと思う。
結果も大事だが、内容やプロセスも大事なのではないだろうか。
今日、DeNAに今シーズンの初勝利はあるのか。
本来のDeNAの野球を取り戻せるのか。
見どころ満載のプロ野球、本日も楽しみだ。