ヤクルト対DeNA-3回戦【コラム】
DeNA勝てなかったかぁ、と見るのか
ヤクルト負けなかったかぁ、と見るのか。
2021年、プロ野球はコロナ渦の中、何とか開幕となった。
プロ野球ファンはそれぞれの思いをもってシーズンに入った。
DeNAファンは三浦新監督に大きな期待を寄せていたに違いない。
ファンからの熱い視線を浴びる中、番長監督は苦しんでいる。
1分け4敗で迎えた、ヤクルト3回戦。
ハマスタのマウンドに上がったのは今シーズンの開幕投手、上茶屋。
先頭打者・山崎にツーベースH、2番・中村に144kmのストレートをはじき返されて
早々と0アウト1,3塁のピンチを招く。
続く、山田はセカンドフライに打ち取るものの、4番・村上、5番・塩見に連続四球。
押し出しで先制点をヤクルトに献上。
後続の太田を併殺打で凌ぎ、このピンチを1失点で何とか切り抜けるDeNA守備陣。
1点を追いかけるDeNAは2者連続の三振の後、牧・佐野・宮崎の3連続安打で2点を
取り返して、すぐさま逆転で2-1。
DeNA、流れが来たか。。。
2回表、1点差を追いかけるヤクルト。下位打線ながら7番西浦・8番松本に連続安打。
9番・山野は送りバント失敗するものの、1番・山崎は四球をもらい1死満塁。
すると中村があっさりと外野への犠牲フライで1点を返し、2-2。なおも2死1,3塁。
ここで山田が145kmのストレートをとらえ、スリーランホームランで5-2で逆転。
DeNA、ダメか。。。
2回裏、3点差を追うDeNA。
乱調の山野から3つの四死球をもらった後、関根・牧の連打で4点を返す。
ヤクルト・高津監督の我慢もここまで。山野を諦め、今野へ投手交代。
準備不十分な今野は安定せず、DeNA自慢の打線が爆発し、3点を加点。
2回を終えて5-9で4点リードのDeNA。
3回表、逆転された直後のヤクルト。
三浦監督も先発投手を諦め、上茶屋から国吉にスイッチ。
すると国吉も準備が間に合わなかったのか、ピリッとしない。
打者3人に対し、1点をとられてしまい、スコアは6-9。
次のチャンスが訪れたのは、4回裏のDeNA。
4つの長短打と1つの四球で2点をあげ、6-11とリードは5点差に。
すると、点差が開いた直後のヤクルトは
6番・太田のツーベースヒットと7番・タイムリーで1点を返し、7-11。
中盤5回が終わったところで4点差。
ここまで観戦したところで、DeNAは今日も厳しいか、そう感じていました。
4点の開きというのは確かに追いかけるのは簡単ではありません。
しかし、この4点差は「4-0」の4点差ではなく
「11-7」の4点差で、まったく異なる性質の4点差です。
落ち着いたゲームと落ち着きのないゲーム。
この違いは展開が定まらない試合とも言えます。
そして、この試合の最大のポイントは
2回表の「4点」、3回表の「1点」、5回表の「1点」だと僕は考えます。
この3イニングの共通点は
ヤクルトから見れば、失点直後の得点
DeNAから見れば、得点直後の失点
ということです。
野球は「流れ」のあるスポーツともいわれています。
「流れ」は「セオリー」を基準として動いているようにも思われますが
ここでの「セオリー」とは
「点を取った後の守備のイニングで失点するな」です。
中盤5回を終えたところで、DeNA側から見れば、3分の3で100%失点しています。
スコア的には負けているヤクルトでしたが
「流れ」はヤクルトにある状態でした。
今シーズンに入り、まだ数試合ですが、勝ち星のないDeNAにとっては
セーフティリードといえない「4点差」だったのではないでしょうか。
終盤でもチャンスをつくるが点の入らないDeNAは7回のマウンドを
「8回の男」と称された石田に託します。
自信を失っているのか、調子を落としているのか、精度のない石田は
この試合でも失点し、ヤクルトの同点劇の幕をあげることなります。
終わってみれば、11-11のドロー。
DeNAは三浦新監督の選手起用を敗因にあげる方が多いようですが
僕は「セオリー」を意識したゲームを構築する方に
選手・コーチを含めて力を注ぐべきではないかと思います。
果たして、今日からのカープ3連戦で三浦新監督の初勝利となるのか
見どころ満載の試合が今から楽しみです。
2021年 プロ野球 順位予想
今年も、ベストプレープロ野球を使って
2021年のプロ野球をシミュレーションしてみました。
10回回して、平均をとった順位となります。
ベストプレープロ野球での予想順位はコチラ(続きをどうぞ)
続きを読むベスプレの選手データをつくる【僕のメモ】
ベストプレープロ野球の選手データをいじる際の僕なりのメモです。チラシの裏ですが、参考になればと思います。
続きを読むベスプレの投手データをつくる【僕のメモ】
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続きを読む明豊対東海大相模【観戦レビュー】
東海大相模のエース・石田投手のベンチスタートがこの試合に与える影響を見てみたいと思います。
では、決勝戦を振り返ります。
この試合、東海大相模の先発マウンドにあがったのはエース・石田投手ではなく3年生右腕・石川投手でした。昨日の中京大中京・畔柳投手が先発回避に及ぼした心理的作用と同じものを感じました。前試合と同様、初回から明豊は積極的なヒッティングを見せます。1死1塁の場面で出た作戦はヒットエンドラン。バッターは3番竹下選手、見事に打ち返し、打球はライト線へ。スタートを切っていた1塁走者は一気にホームを目指します。しかし、ここは東海大相模の守備陣の中継プレーでホームを許さず、2死にします。ですが、勢いのある明豊は2死ながら2塁のチャンスを生かし、先制点をあげます。
一方、東海大相模打線も負けていません。先制された直後の1回裏、1死3塁のチャンスを作り出すと、3番小島選手にまさかのスクイズですぐさま同点。
両校とも初回に得点をあげ1-1のスタートとなりました。
その後、東海大相模は毎回ピンチを迎えますが、石川投手と堅い守備で明豊に流れを渡しません。
4回表明豊が1点をとると、イニングを空けず、5回裏に1点を返し、5回表裏終了時には2-2。明豊にムードが行きそうな気配がある中、東海大相模が食らいつくといった展開。
6回表、攻め続ける明豊は2死1,2塁の得点チャンスをつくると、ここで東海大相模はエース・石田投手をマウンドに送り出します。すると東海大相模守備陣、場内の雰囲気が変わります。このピンチを凌いだ東海大相模は攻撃にもリズムが生まれます。
東海大相模優勢ムードの中、試合は2-2の同点のまま9回裏へ。
先頭バッターはここまで好守を見せていた2年生、深谷選手。意表をつくセフティーバントで出塁します。続いて、石田投手が送りバントを決め、1死2塁で、好打者門馬選手がバッターボックスへ。明豊川崎監督はこの試合2度目の申告敬遠策を採り、1死2,3塁。続く2番打者・綛田選手にはフルカウントからボールを見極められて四球、これで1死満塁。打者は3番強打者・小島選手。2ストライクからの3球目、ストレートを打ち返すと打球はショートへ強襲。鉄壁を誇った明豊守備陣も抑えることができず、3塁ランナーがホームに還り、2-3xでサヨナラ。
序盤と中盤以降で両チームがそれぞれ違う雰囲気となった決勝戦。変化が起きたのはやはり6回表、東海大相模のマウンドに石田投手があがってからだと思います。エースがチームに与える士気、それが試合に大きく作用しました。過密日程のトーナメントの中、あるいは球数制限が設けられている中、投手起用は監督の采配に託されます。決勝戦、門馬監督は終盤勝負と判断し、先発のマウンドを石川投手に任せ、東海大相模ナインはそれを理解して試合に臨んだのでしょう。ベスト8以降、序盤でゲームが決着してしまう傾向がある中、この作戦を採る勇気と判断は素晴らしいと感じました。
明豊も石田投手が出てくる前までが勝負という意識があったように感じました。逆にその意識がプレッシャーとなり、気負ってしまっていたのかもしれません。石田投手がマウンドに上がった時点でのスコアは2-2の同点、この途中経過も選手の焦りとなったのかもしれません。
昨今の投手2本柱、継投策などが主流となりつつありますが、存在感を持つエースのあり方は今後も見つめていかなければならいと感じました。
2021年、センバツ甲子園の決勝はノーエラーの見ごたえあるものでした。東海大相模関係者の皆様、優勝おめでとうございます!明豊関係者の皆様、優勝にはあと少しでしたが、素晴らしい試合を見せていただき、ありがとうございました。
センバツ甲子園は本日で終了しますが、夏に向けて地方大会が進んでいる地区もあるようです。さらに観戦のレベルをあげるために、僕も高校野球をもっと勉強したいと思います。
高校野球の観戦はやっぱり楽しかった。
全試合観戦、ごちそうさまでした。
明豊対中京大中京【観戦レビュー】
中京大中京はエース・畔柳投手に頼りすぎていたのではないでしょうか。今までの試合から見ると、全く別チームになってしまった感を感じてしまいました。
試合を振り返ります。
中京大中京は疲労が蓄積しているとの判断からか、エース・畔柳投手を控えに回す策を採りました。この采配は中京大中京、明豊それぞれに精神的作用を及ぼしたように見えます。
中京大中京はこれまでのドッシリとした強豪校の持つ圧が感じられないのに対し、明豊ベンチには晴れやかなムードを感じます。
畔柳投手に代わって先発のマウンドに上がったのはサウスポーの柴田投手。明豊の堅実な攻撃でピンチをつくられますが、要所々々を抑え、耐えます。2巡目を迎えた明豊打線は目もなれてきたのか、4回にとらえられます。4安打2四死球で5点をあげます。立ち直りが難しいと判断したのか、ここでピッチャー交代。
マウンドには畔柳投手。
エースがマウンドに上がると、雰囲気は一転。意気が上がる中京大中京に対し静まり返る明豊。これまでチャンスはつくるものの点を上げられなかった中京大中京でしたが、5回に1点、6回に2点を取り返します。しかし、6回の好機で打席が畔柳選手に回ったところで、バッター交代。畔柳投手が準決勝の舞台から去ることになってしまいます。ここでまた試合の展開がクルリと一転、地に足がつかない中京大中京に対して落ち着きを取り戻した明豊。
流れがシーソーのように動く中、5-3明豊2点リードでゲームは終盤へ。
8回裏、中京大中京は3番桑垣選手、4番原選手、5番辻選手のクリーアップの強烈な打球を堅い明豊守備陣がきっちり対応します。解説者の元横浜監督の渡辺監督も驚くファインプレーも飛び出し、チャンスをつくらせません。
9回裏、6番キャッチャーの加藤選手が追い込まれながらも粘ってライト線へツーベースH。続く7番櫛田選手はライト前Hとなり、ノーアウト1,3塁に。ここで代打西川選手、力が入り、ボール球を振り三振。1アウト1,3塁となったところで、エンドランなのか盗塁なのかわかりませんが、1塁ランナー飛び出し挟殺プレーに走死。この間に3塁ランナーがホームイン、4-5で1点差。しかし、反撃もここまで。5-4で明豊勝利で初の決勝進出となりました。
明豊は前試合の智辯学園でも見せた高い守備力がこの試合でも発揮されました。野球で唯一計算されるのが守備と言われますが、ここまでミスなく野球のできる明豊は精神的にも鍛えられている証だと思います。
残りはあと1試合。相手は東の優勝候補・東海大相模。明日も南こうせつさんの校歌が甲子園に流れるのか。楽しみです。